平岡公園- 住宅街に囲まれたオアシス -

ひらおか春の湿生植物観察ツアー

2018.06.17

本日は札幌市立大学の矢部先生をお迎えし、平岡公園の湿生植物を観察するツアーを開催しました。

矢部先生には平岡公園の人工湿地造成当初から関わっていただいているので、どんなお話が聞けるか楽しみですね。

もちろん、人工湿地に向かうまでも様々な植物との出会いがありますよ!

平岡公園自然観察イベントでお馴染みのボランティア「平岡どんぐりの森」の“ゆうさん”のお話を聞きながら湿地までの道のりを散策します。

樹木を観察する参加者

 

出発してすぐに出会ったのは、ヤマブドウの蕾(上)とミヤマザクラの実(下)です。

熟す前のヤマブドウ

熟す前のミヤマザクラの実

ミヤマザクラは札幌で一番遅く咲くサクラです。

来月にはもっと実が真っ赤になり、とてもキレイな様子を見ることができますよ。

 

ミズナラのどんぐりの赤ちゃん

今はまだ目立ちませんが、7月中旬以降はぐんぐんと大きくなるそうです。

ミズナラのどんぐりの赤ちゃん

 

こちらはホオノキです。

通常は高い位置に花を付けるので、遠目でしか見ることのない花ですが、平岡公園には低い位置で花を楽しめる樹があります。

低い位置に花が付く珍しいホオノキ

 

花に顔を近づけると、とっても甘い芳しい香りがします。

今日は、1本の樹で蕾・花・花後のすべてを見ることができました!

花の咲く時期を少しずつずらしているホオノキだからこそですね。

ホオノキの花の蕾

ホオノキの花

ホオノキの花の枯れたあと

ほとんどの花は咲き終わりましたが、まだこれから咲く蕾もいくつか付いています。

梅林ログハウスの近くにあるので、ぜひ探してみてくださいね。

 

このほかにも、ここでは紹介しきれないくらい様々な植物たちに出会いました。

 

ベニスモモの実

ベニスモモの実

 

ヒトツバイチヤクソウ

ヒトツバイチヤクソウ

 

ギンリョウソウ

ギンリョウソウ

 

さて!いよいよ湿地エリアに到着です!

湿地を散策する参加者

 

木道を歩くとすぐ目に付いたのが白いふわふわ。

これは綿をまとったドロノキの種子です。

綿毛をまとったドロノキの種子

種が付いたドロノキの枝

今にも綿がはじけそうな様子が分かりますね。

 

そのすぐ近くにはハクウンボクの花が咲いていました。

ハクウンボクの花

 

人工湿地に入ると、すぐにお出迎えしてくれたのはクロバナロウゲ。

人工湿地を歩く参加者

クロバナロウゲの花

この湿地の環境に適応したのか、少しずつ数が増えているようです。

 

サギスゲは白くてふわふわした小穂を揺らしていました。

サギスゲ

サギスゲのアップ

 

ヒツジグサは今にも咲きそうな蕾がたくさん付いています。

今にも咲きそうなヒツジグサの蕾

未(ひつじ)の刻(午後2時)に花を咲かせることからヒツジグサと名付けられたとされていますが、なんと!お昼前には一つしか咲いていなかったヒツジグサが、午後2時に見てみたら次々と咲いておりました!!

咲いたばかりのヒツジグサ

これにはビックリ(◎▽◎)皆さんも午後2時に見に来ると良いかも・・・??

 

これらの湿地の植物たちは20年近くの長い年月をかけて今の植生に至りました。

環境に適応できずに消えてしまった植物、逆に環境に馴染んで増えた植物。

また、種が流れたり鳥に運ばれたりして、場所を移動する植物など様々です。

この人工湿地はこれから先も少しずつ変化を遂げていくことでしょう。

また来年、今日見た植物たちがどうなっているか観察するのが楽しみですね♪

 

<おまけ>

ツアー終了後に、矢部先生とボランティア団体「平岡どんぐりの森」の皆さんと一緒に、人工湿地のヨシの除草をしました。

みなさんのおかげで沢山のヨシを刈ることができました。

人工湿地のヨシの除草

刈ったヨシ

ヨシを刈ったあとの人工湿地

除草後の人工湿地はすっきり。ヨシに被圧されていた植物たちが生き生きしているように見えました。

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!