平岡公園の自然
平岡公園は、現在では住宅街に囲まれた公園ですが、以前はなだらかな丘が続く丘陵地帯でした。 公園が造成される以前には里山としても利用され、入植当時から炭焼きが盛んにおこなわれており、現在の平岡公園でも既存林の中で炭焼き窯の跡が数多く見ることができます。 また、公園内の谷筋には小川が流れ、水が湧き出るところがいくつもあり、水が豊富にあったことから、三里川沿いでは農耕がおこなわれ、主に水田として利用されてきました。 公園の55%を覆う山林は、コナラ(ドングリ)の北限に位置し、キタキツネやカワセミなどの動物やコクワガタやオニヤンマなどの昆虫類、エンレイソウやミズバショウなどの植物、エゾアカガエル、トゲウオなどの両生類や魚類など様々な生き物たちが生息しております。
湿地
ヨシを主体とし、一部でカサスゲ・ミズバショウが群落をなし、またエゾノリュウキンカ等が植栽されています。 主な樹木はヤナギ類やハンノキで、隣接する自然林の樹木も観察できます。 ここでは、一年を通じて多くの湿生植物が花を咲かせます。 早春にはエゾアカガエルの卵塊が見られ、夏にはオニヤンマが飛び回ります。秋になると周辺の樹木に美しい果実が実り、ノリウツギの花はドライフラワーとなって冬遅くまで枝に残ります。 湿地内に作られた木道を通り、散策ができます。
湿生植物のページをご覧ください。
人工湿地・池
全国的にもあまり例のない人工的に作られた湿地で、かつて石狩平野に存在したミズゴケ・スゲ群落主体の湿地の再現を目指し、平成14年に開園しました。 ここでは、周辺区域を含めて市民ボランティアと協働で植栽・維持管理を行っており、ミズゴケやモウセンゴケ等の珍しい植物やサギスゲの群落が見られます。 また、初夏から秋までトンボが飛び交い、トゲウオ、コオイムシ等の水生生物も生息します。
湿生植物のページをご覧ください。
はらっぱとその周辺
人工湿地の周辺には、あえて草刈り回数を減らし昆虫が住みやすくなるよう草丈を高くした「はらっぱエリア」と、園内の樹林の種子から育てた苗木を市民と協働で植栽する「森づくりエリア」があります。
オオバナノエンレイソウ、キツリフネ等の様々な花が秋まで見られます。
市民参加型の公園づくり
平岡公園内で、平成9年度から未整備となっていた西地区約 5.5haの区域で、計画・造成・維持管理に至るまでの市民参加を目標に近隣の住民と協働で自然観察のできる池や湿地づくりなどおこなっております。 そのエリアでは、以前石狩平野にごく一般的にあった湿地を創出し、自然観察や環境教育の場を提供する「人工湿地」、また、平岡公園内から採取した種で苗を育て植樹をおこなう「森づくり事業」、あえて草刈り回数を減らし昆虫たちが棲みやすい環境を目指した「はらっぱエリア」などユニークな形態の公園づくりが市民参加でおこなわれております。
自然林
コナラ・ミズナラを主体とし、他にカエデ類・シラカンバ等からなる落葉広葉樹林です。 コナラは清田~大谷地村付近を北限とすることから、平岡公園に現存するコナラ林は大変貴重なものです。 また、一部ではカラマツが植林されています。 林内では春~初夏に、多くの草木が可憐な花を咲かせます。この時期は野鳥の声もにぎやかです。 夏以降、花の種類は少なくなりますがカラフルなキノコが姿を現し、秋には色鮮やかな紅葉が見られます。紅葉が終わると林床は落ち葉で覆われ、森は長い冬を迎えます。
林内に残る炭焼窯跡
林内では明治から昭和30年頃まで、木炭製造が盛んに行われていました。 当時の炭焼窯跡は、今日もその面影を残しています。