平岡公園- 住宅街に囲まれたオアシス -

みち草のススメ:その1~梅園から湿地をめぐるルート~

2022.05.03

平岡公園ではウメ以外にも見頃を迎えた春植物がたくさんあります。「みち草のススメ」シリーズでは、梅園周辺の散策路で見られる植物を中心にご紹介していきたいと思います。

本日は梅園から湿地を通って第1駐車場に向かうルート上で見られる「この時期にちょっと気になる植物」です。所要時間の目安は約45分です。はい、結構しっかりと歩くルートです。

自分で発見する楽しみを残しておきたいので、ルートだけを下の地図に示しておきます。舗装されていない坂や階段などがありますので、歩きやすい靴での散策をオススメします。

梅園周辺散策ルートマップ

梅園周辺散策ルートマップ

 

スタート地点は梅林にあるトイレ前です。ここから坂を下っていきます。

散策ルートスタート地点

散策ルートスタート地点

 

この時期、くるっと巻いたつやのある葉っぱが散策路脇にたくさん出てきます。これはマイヅルソウの新葉で、あと2週間ほどでスズランに似た小さな可愛い花が見られそうです。

マイヅルソウの芽生え

マイヅルソウの芽生え

歩いていて気になるのは、斜面にへばりつくように生えるシダ植物のシシガシラです。特徴的な葉っぱをしているのでシダ植物の中では見分けやすい種のひとつかと思います。

シシガシラ

シシガシラ

坂を下って行くと左手に湿ったくぼ地が見えてきます。オオバナノエンレイソウやフッキソウが咲いているおすすめポイントです。ロープ柵の中なので、遠くから観察してくださいね。

オオバナノエンレイソウの花

今が見頃のオオバナノエンレイソウの花

フッキソウの花

フッキソウの花

 

坂を下りたら左へ、次の分かれ道も左へ進んでください。人工湿地や池をそのまま通り過ぎて、トイレのある分かれ道を左へ曲がって道なりに進むと湿地エリアに到着です。この途中にもオオバナノエンレイソウがあります。見つけられるでしょうか?

湿地エリアの風景

湿地エリアの風景

ご紹介が遅れてしまったミズバショウです。見頃はあと1週間くらいかな、といったところです。

ミズバショウ

ミズバショウ

今一番目を引くのはエゾノリュウキンカです。ヤチブキという呼び名の方が知られているみたいですね。

エゾノリュウキンカ

エゾノリュウキンカ

濃いエンジ色が印象的なザゼンソウも密かに人気があるようで、しゃがんで観察している方をよく見かけます。

ザゼンソウの花

ザゼンソウの花

ミズバショウに似ているこちらの葉っぱはヒメザゼンソウです。ミズバショウやザゼンソウと同じサトイモ科に属しています。花の時期は6月から7月で、ザゼンソウよりも小さい花を葉っぱの根元につけます。目立たない花なので見逃さないよう観察していきたいところです。

ヒメザゼンソウの葉っぱ

ヒメザゼンソウの葉

 

木道を進んで梅の香橋の下まで行くと第1駐車場に向かう階段が見えてきます。

第1駐車場に向かう階段

第1駐車場に向かう階段

階段を上る前に注意深く足元を見ていると、紫のスミレに気づくかと思います。ケタチツボスミレです。よく見るタチツボスミレに比べ、茎や花柄などに毛が生えているのが特徴です。

ケタチツボスミレの花

ケタチツボスミレの花

最後に階段を上って第1駐車場到着です。とっても急な階段の上ではエゾムラサキツツジがお出迎えしてくれます。たくさん歩いた後にこの傾斜はかなり足にきますので、橋の反対側に出る階段から上がった方が良いかもしれません。

ゴール地点のエゾムラサキツツジ

ゴール地点のエゾムラサキツツジ

以上が、今回ご紹介したルートで見られる主な植物です。スタッフの好み強めのセレクションでご紹介しました。

少しだけマニアックになってしまいましたので、園内で見られるその他の春の植物の状況も少し載せておきます。

キタコブシはそろそろ終わりですが、エゾヤマザクラはまだキレイに咲いている所もあります。アジサイに似たオオカメノキの花もあちこちで咲き始めました。少し目立たないのはナニワズです。とってもいい香のする花です。散策路からは離れたところでひっそりと咲いてます。

ウメと一緒に春の植物を楽しんで頂けるとうれしいです。それでは次回もお楽しみに。

エゾヤマザクラの花

エゾヤマザクラの花

キタコブシの花キタコブシの花

オオカメノキの花

これからが見頃のオオカメノキの花

ナニワズの花

ナニワズの花